
取り組み
細胞医薬分野の企業連携によるA-CELL翻訳プロジェクト
「A-CELL」翻訳プロジェクトの概要
「A-CELL」は、国際的な再生医療業界団体であるThe Alliance for Regenerative Medicine (ARM) と the National Institute for Innovation in Manufacturing Biopharmaceuticals (NIIMBL)が2022年7月に発表した文献で、細胞医薬品製造におけるCMC※1 のベストプラクティスをまとめたものです。
本プロジェクトでは、湘南アイパークのコミュニティに集う11社約30名の方が共同で、「A-CELL」の日本語訳を作成しました。
また、その過程では、参加各社が翻訳を分担するだけでなく、担当した章を解説・共有する勉強会を13回にわたって実施し、それぞれの解釈や課題意識などの共有や、活発な議論が行われました。特に、「人材育成機関の不足」、「細胞医薬品製造における知見共有の難しさと重要性」、「細胞医薬品製造に係る周辺知識(補助材料等)の常時アップデート」などが参加者の中であらためて課題として認識されました。
※1設計品質と製品品質を意味する “Chemistry, Manufacturing and Control” の略
本プロジェクトの意義と今後の展望
細胞医薬品の分野では、大量製造過程や製品化の段階における標準的な手法が確立されておらず、コスト効率の高い製造が困難であるという課題があると言われています。湘南アイパーク(後述)は、次世代治療分野の「施設・機器および技術支援」、「臨床研究への橋渡し」、「人材育成支援」の3つの基盤を整備することにより、こうした課題が解決されて、最先端の研究開発が加速する拠点となることを目指しています。
この日本語訳が、業界内のプレイヤー間における情報連携や議論の活性化や、国内企業の研究開発力向上につながることを期待しています。
「A-CELL」について
著者:Alliance for Regenerative Medicine(ARM)および The National Institute for Innovation in Manufacturing Biopharmaceuticals(NIIMBL)
発表時期:2022年7月
内容:細胞医薬品製造におけるCMCのベストプラクティス
制作過程:30以上の企業、50以上の専門家、規制当局など、多様な機関が協力
日本語訳ご利用にあたっての注意事項
- 本日本語訳の作成にあたってはARMから許諾を得ています。
- 本日本語訳は、細胞医薬製造の事業に携わる企業の有志が作成したものであり、ARMあるいはNIIMBLが公式に作成および公開したものではありません。
- 本日本語訳の作成にあたっては、できる限り正確な訳に努めていますが、利用に際しては原著を正としてご参照ください。
- 本日本語訳についてのお問合せや、修正のご提案は下段記載のアイパークインスティチュート株式会社までお寄せください。
参加企業
※武田薬品工業株式会社、入澤コンサルティング合同会社:総合監修
プロジェクトに参加して ~参加企業の声~
- アフェレーシス、製造施設及びIT設備を含むCMCを広く網羅したCAR-TベストプラクティスであるA-CELLの翻訳プロジェクトに参加の機会をいただき、期待以上の気づきが得られ大きな学びとなりました。(入澤コンサルティング合同会社 入澤朗様)
- A-CELLから最新の知見を学べたことも大きいですが、他社の方と有意義な交流を持てたことが一番だと感じています(AGC株式会社 成田匡邦様)
- プロジェクトに参加することで、細胞製品に関する広範囲な知識が得られました(オリヅルセラピューティクス株式会社 柳澤徳雄様)
日本語訳の内容や取材等のお問合せは下記まで
info@shonan-ipark.com